全国遺伝子医療部門連絡会議

全国遺伝子医療部門連絡会議の歩み


 平成14年度(2002年度)厚生労働省科学研究費補助金(子ども家庭総合研究事業)「遺伝子医療の基盤整備に関する研究(主任研究者:古山順一)」の分担研究として,2003年1月に特定機能病院等(80大学病院および5国立医療機関)を対象に「遺伝子医療に関する調査」を行った.その結果,すでに36施設において,遺伝カウンセリングおよび遺伝学的検査を中心とする遺伝子医療を行う部門が設立されており,設立を準備している施設をあわせると64施設に達していた.しかしながら,これらの遺伝子医療部門においては,組織作りの問題,担当者の問題,診療費の問題,診療録の問題,倫理的問題など,多くの解決すべき問題があることも明らかになった.そこで,関係者が協議した結果,我が国における遺伝子医療の向上を目的として,各施設間の情報交換,意見交換を行う「全国遺伝子医療部門連絡会議」を開催することになった.
第1回から第5回の概要は以下に示す通りである.なお,第1回と第2回は厚生労働省科学研究費補助金(子ども家庭総合研究事業)「遺伝子医療の基盤整備に関する研究(主任研究者:古山順一)」,第3回?第5回までは厚生労働省科学研究費補助金先端的基盤開発研究事業「ゲノムリテラシー向上のための人材育成と教育ツール開発に関する研究(研究代表者:福嶋義光)」のサポートを得て開催した.また,本連絡会議は日本人類遺伝学会,日本遺伝カウンセリング学会および日本遺伝子診療学会の後援を受けている.


第1回(大会長:福嶋義光)   2003.11.29(土)
東京:日本教育会館
参加施設:50施設(43医育機関),参加者:69名

第2回(大会長:小杉眞司)   2004.12.18(土)
京都:京都大学芝蘭会館
参加施設:64施設(49医育機関),参加者:116名 

第3回(大会長:斎藤加世子)  2005.11. 5(土) 
東京:東京女子医科大学
参加施設:73施設(56医育機関),参加者:144名

第4回(大会長:戸田達史)  2006.11.18(土) 
大阪:大阪大学銀杏会館
参加施設:62施設(51医育機関),参加者:117名

第5回(大会長:野村文夫)  2007.11.17(土) 
千葉:千葉大学けやき会館
参加施設:59施設(49医育機関),参加者:112名

 本連絡会議で発表,討議された内容は報告書にまとめ,すべての大学病院,国立高度医療機関に送付するとともに,HP上に公開した. <http://genetopia.md.shinshu-u.ac.jp/genetopia/index.htm>
この報告書には,わが国の遺伝子医療の現状が記載されているだけではなく,各施設における問題解決のための手がかりとなる事項も含まれており,多くの施設で利用されている.
本連絡会議を開催するたびに,出席者から強く要望されていた遺伝カウンセリング料創設の要望書を2007年9月,厚生労働省に提出した.その結果,平成20年度診療報酬改定において,13疾患の遺伝病学的検査を行った後の遺伝カウンセリングという非常に限定的なものではあるが,遺伝学的検査の際の遺伝カウンセリング(臨床遺伝学の専門的知識を持つ医師による心理社会的支援)が,保険診療として認められた.これはわが国の遺伝子医療の発展にとって,大きな第一歩であり,本連絡会議の活動の成果の一つである.
以上の活動実績を基礎に,本連絡会議の活動をより活発化させるため,平成20年度より維持機関会員制度を発足させることが第5回連絡会議で決定された.今回,全国の大学病院および臨床遺伝専門医制度研修施設に維持機関会員としての登録を呼びかけたところ,2008年11月17日現在,計71施設(大学病院:61施設,その他:10施設)が登録し,第6回連絡会議が開催されることとなった.第6回の概要は下記の通りである.


第6回(大会長:高田史男) 2008.11.22(土)
北里大学白金キャンパス
参加施設:69施設(61医育機関),参加者:149名

第7回は2009年11月28日に兵庫医科大学(大会長:玉置知子)で開催される予定である.


(文責:福嶋義光,2009年7月16日)